つくり直すにしても損害はずっと小さくてすんだ

2011.10.21

奥さんのほうでは旅行中、素人の常識に返っていた。その床の間は追加設計だったから、奥さんは最後まで図面を見ていない。工務店に図面が回っただけである。これも不幸だった。当時はまだファクスなど普及していない時代だった、面倒ではあってもちゃんと図面を持参して確認してもらうべきだった。この事件はまず、私の事務所の大失態である。言い逃れはできない。しかし、あえて言うなら、建築家と建て主双方の中途半端な慣れと、生半可なプロ知識も原因だった。

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さらに言えば、建て主の奥さんは、図面は見ていないにしても、仏壇と現場を見ていた。なぜそこで疑問に思わなかったのだろう。「ちょっと狭すぎる」とは感じなかったのだろうか。あるいは、いっしょに仏壇を見たご主人が、1度でも現場を見てくれていたら別の結果になったのではないか。そう思えてならない。どんな場合でもミスは起こるものなのだ。もし、ご主人が、奥さんとは別の目でダブルチェックしてくれていたら、もうちょっとでも早く気づいていたら、つくり直すにしても損害はずっと小さくてすんだのではないだろうか。